2015年 11月 23日 

東京女子医科大学 中村かおる様 

公開質問状 

日本色覚差別撤廃の会                          会長  井上 清三 

 

私たち色覚当事者の会の中には、かつて子どもの頃にあった数多くの安易な就業制限 のために、目指す職種をあきらめざるをえなかった会員が少なくありません。 その後の法令等の整備により、就職時の色覚検査や就業制限は制度的に廃止・規制さ れ、当該業務上で必要不可欠な色彩識別能力が不足すると確証できる場合のみに就業制 限は限定されています。 さて、このほど日本眼科医会が作成・配布している「色覚検査のすすめ!」なるポス ター下部に、ご案内のとおり貴殿の見解が引用・掲示されています。そこで色覚の当事 者団体として次の点をお尋ねします。 (質問) 

日本眼科医会のポスターに掲示されている一覧表「色覚の異常の

程度による業務への支障の目安」の記載内容は、いかなる論拠(エ

ビデンス)に基づくものでしょうか? 

 

仮にも十分なエビデンスを欠くなら、不条理な色覚差別・偏見をさらにいっそう助長 するものとなります。全国の病院に貼られ始めているこのポスターが、色覚に差異のあ る当事者をどんなに驚かせているかご存知でしょうか。現在、ポスターで指摘された業 務に多くの当事者が立派に従事されています。ポスターはその努力を否定することにな りませんか?また、指摘された業務にあこがれをもって頑張っている多くの若い当事者 がいます。その夢の実現をあきらめることをすすめるのですか?ポスターの作成責任の 帰属はもとより日本眼科医会としても、引用文献を作成した貴殿のプロフェッションと しての責任も他方で否定できません。 ちなみに、職場で色の識別で支障があるとしたら、まず対処すべきは、識別しやすい 色使いや色以外の表示など、職場環境の改善(合理的配慮)ではないでしょうか。そち らを先に考えないで当事者個人の責任に帰し、排除しようとするのは、一昨年成立した 「障害者差別解消法」や「改正障害者雇用促進法」に、ひいては基本的人権にも抵触す るものでしょう。 仮に明確な根拠がないのなら、即時撤廃をお勧めし、求めます。 

 

ご多忙のところ恐縮ですが、12月4日(金)までにご回答をお願いします。 なお、この公開質問状は本会のホームページに近日中に掲載予定です。