2020年10月1日
滋賀医科大学長
上本 伸二 様
貴大学ホームページに関する回答の再要請
日本色覚差別撤廃の会
会長 荒 伸直
時下、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、本会より貴大学のホームページの内容について8月25日付け公開質問状を送付させていただきましたが、未だご返信いただいておりません。是非ともご回答をいただきますよう再度要請いたします。
前回の質問状に書きましたように、貴大学眼科学講座が大学公式のウェブサイトに開設した「色覚外来」のURLにおける「職業適性の考え方」のページの内容には、多くの疑義があります。そのページでは具体的な職業・資格について「色覚異常」は不適・不利であると一定の見解とともに主張されていますが、その主張はいかなる科学的論拠(エビデンス)のもとに、あるいはどのような知見を積むことによってなされているのでしょうか?
一例を上げます。
同ページには色覚異常の不適な職業の例として「小学校・幼稚園の先生」の項目があり、以下のような記述があります。
『小学校や幼稚園では色彩や色に関連した知識を教えたり、一般の教科でも教材として色で塗り分けたり、表現したりというものを使うことがよくあります。 そういう場に強度の色覚異常の人はやはり不適当と考えるべきでしょう。』
しかし、現在ではこの認識は「色覚異常」に対する無理解・偏見による間違った認識であったとされているものではありませんか?1980年代までは大学の教育学部においてその種の間違った認識による「色覚異常」に対する制限のある大学がありましたが、その誤りは克服され1992年には全ての国立大学教育学部の色覚による入学制限は撤廃されました。同様に1993年には全国の都道府県の教職員採用における色覚の制限はなくなりました。その後、多くの色覚当事者が大学で学び、小学校・幼稚園の先生となり活躍していますが、大学や学校教育現場で何らかの問題となったということを聞きません。
これが「小学校・幼稚園の先生」に関する本会の認識です。
この歴史的な事実を否定し、滋賀医科大学として上述のごとく主張されるエビデンスをお聞きかせ下さい。
以上は「小学校・幼稚園の先生」の項目に焦点化したものですが、同ページの内容には同種の疑問を持つものが数多くあります。現状のままではこれを見た部外者とりわけ色覚当事者・家族に間違った認識を持たせ、取り返しのつかない損害を与えるのではないかと危惧しています。
学問の府たる大学としての名誉のためにも、前回公開質問状の内容について貴大学としてご検討の上、速やかに回答いただきますようお願いします。
なお、前回公開質問状を同封しておりますのでご参照ください。
ご多忙のところ恐縮ですが、10月14日(水曜日)までに必着でご回答をお願いします。
回答文は正式な書面の形式であれば、データファイルで作成しメール添付により返送いただいても結構です。
返送先
【郵送】〒211-0004 川崎市中原区新丸子東3-1110-12
かわさき市民活動センター気付
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