202087

神戸大学 海事科学部

学部長    阿部  晃久 様

日本色覚差別撤廃の会

会長  荒  伸 直

 

船舶実習の履修条件及び健康診断基準の内容について(照会)

 

6月10日付の本会からの照会「学生募集要項における健康診断の色覚欄について」につきましては、追加の照会への返信もあわせて、貴学部教務学生グループ様及び保健管理センター分室長様よりご丁寧な説明をいただき、当初の疑問点につきましては氷解いたしました。御礼申し上げます。

さて、この間のご説明において生じました疑問点1件と、現行の船舶実習履修上の健康診断基準の色覚欄の内容につきまして、海技士養成を担う大学としての見解を再度伺いたいと存じます。

疑問点は、「船舶実習1」の履修条件であります。貴学部より2011(H23年度)2020年度の募集要項の抜粋を送っていただきましたが、それによりますと2011年度~2016年度では「船舶実習1」の履修条件として健康診断基準については何ら触れていません。しかし、2018年度~2020年度では「船舶実習1」を履修するためには、健康診断基準を満たす必要があると明記されています(2017年度は不明)。大学としてどうして履修条件をこのように変更されたのでしょうか。その理由・経過をお尋ねします。

次に、現行の船舶実習にかかわる健康診断基準の色覚欄についてであります。

周知のとおり2001年に労働安全衛生規則の改正がなされ、雇入時健康診断の項目から色覚検査が削除されましたが、その際の改正留意事項では「職務に必要とされる色の識別能力を判断する際には、各事業所で用いられている色の判断が可能か否かの確認を行う等にとどめることが望ましいこと」としています。海技士免許にかかわる健康診断基準(国土交通省)における石原色覚検査表及びパネルD-15は医療的色覚検査であり、上述の国の全般的準則たる規則改正(厚生労働省)の趣旨に基本的に反するものと私たちは考えます。

その中で、機関士を対象とした特定船員色識別適正確認表は、機関士の職務に沿った検査であり、規則改正の趣旨を反映した納得できるものです。しかし、貴学の船舶実習の履修に向けた現行の色覚検査方式は不必要な医療的検査(石原表、パネルD-15)を学生に課した後に、特定船員色識別適正確認表による検査となっています。特定船員色識別適正確認表の検査のみでその目的は達成できるのにかかわらず、敢えて医療的検査を事前に実施しています。免許取得の要件の当否は別儀として(国土交通省との協議)、機関士の船舶実習の履修を希望する学生にとって拒否できない健康診断において、機関士としての色認識力を確認するに十分な検査である特定船員色識別適正確認表以外に、     

他の医療的色覚検査を強いることは履修希望学生への人権侵害ではないでしょうか。

     

以上2件について是非ともお答えいただきたいと思います。

ご返事は820日(木)必着でよろしくお願いいたします。

 

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